2009年6月16日火曜日

■何かが少しずつ・・・

銀杏の青葉を摘み、本にはさむ。うまくいけば、美しい青葉の押し葉ができる。
家のバラも、再び少しず蕾をつけ始めている。外壁工事の影響をうけて、今年枯れてしまった苗4本。悲しいものがある。仕方ないとはいえ、せめて花が咲くのを一度でもいい、見たかった。
Y美術館の脇のモミジフウの緑も、日に日に目に眩しくなってきた。少し離れたところからしばし眺める。若葉色は何処までもやさしく、やわらかく、こちらの心に沁みこんでくる。

母の髪が抜け、やせ細り、そのさまを私はじっと見ていることしかできず。それがたまらなくもどかしい。
病の残酷さは、祖母の看病で散々見てきているはずなのだけれども。それでも胸が痛くなる。
この治療を続けた果てに、穏やかな時間が待っているのだろうか。それとも残酷極まりない結果ばかりが待っているのだろうか。
誰にも分からない。分からないから、ただ、祈る。どうか、どうか、と。

雨が降り出す夕暮れ。まるで閉じ込められているかのような錯覚を覚える。窓に額をはりつけて、ただ眺める。じっと眺める。

少しずつ何かが変化しようとしている。その気配はもう、私の首筋まではいあがってきている。