2008年11月5日水曜日

■一瞬一瞬を丁寧に生きていれば

梨木香歩氏の作品に出会ったのは、「春になったら苺を摘みに」が最初だった。淡々としていながらも丁寧なエッセイで、その世界観に一挙に引き込まれた。以来、彼女の作品が出るたび、本屋に走る。

あれはいつだったろう。今年の夏のはずなのだが、もう遠い昔に思える。
徹夜明け、仕事に出かけた後、時間を見つけて映画館へ。
「西の魔女が死んだ」を友人と観た。
実に原作に忠実に仕上がっていて、原作者梨木香歩氏のファンである私にとっても心地いい作品だった。
その友人と、家でU2のライブビデオなぞを見ながらそうめんをすする。
そうめんって何故あんなに食後におなかが膨れ上がるのだろう。蕎麦は食べている最中に満腹感を感じられるから適度なところで食べ終えられるのだけれど。そうめんはつるつると勝手に胃に滑り落ちてきてしまうから困る。友人も同じだったらしく、食後、おなかが苦しい、おなかが苦しいと、二人して繰言してしまった。

一日一日の小さな変化を楽しみたいから先のことを知る必要は私にはないのよ。と言った台詞が先の作品の中、祖母の台詞として出てくる。
私は思わず深く頷いてしまう。
不安があると、つい、先のこと先のことを知りたがって駆け足になってしまう。
でも、そんな必要は本当はないのだ。おそらくは。
一瞬一瞬を丁寧に生きていれば、じき、おのずと答えは出るのだろうから。

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