2008年11月28日金曜日

■あの雲の向こうには

 今朝は遅く起きようと思ったのに、いつもの通りに目が覚める。布団の中でしばらくごろごろしていたけれども、観念して起き上がる。とたんに冷気が私の体をくるむ。ぶるり。外はまだ雨が降っている。
 徐々に明けてゆく空。小雨になってゆく雨。
 昨日は変に重たい思いに囚われてしまっていた。そのせいで一日何となく苛々していた。こんなんじゃいけない、こんなんじゃいけない、と思えば思うほどに、その思いに雁字搦めになっていくようで、それが無性に腹立たしかった。
 喜怒哀楽のうちの怒の類の感情は、人のエネルギーをどんどん奪ってゆく。奪って奪って、その人のエネルギーが皆無になるまでも奪って、それでもって膨れ上がる。でも。
 今、余分に使えるエネルギーは、私にはない。私は私の生活をたてるので精一杯だ。だから、棚上げ。腹立たしいのも情けないのも全部、棚上げ。見えないところに。
 娘から、サンタ宛の手紙を受け取る。こっそり中身をみたのだが、数行の、これこれのプレゼントが欲しい、という文章の後に、「心のメモを五枚入れておきます」というのは一体何だろう。実際五枚の便箋が入っていた。しかしその便箋には一文字たりとも書かれていない。心のメモ…彼女はどんな心のメモをここに記したのだろう。すごく知りたい。でも聞けない。
 気づけば雨は上がり。雲はまだまだ空を覆い尽くしているけれども、それでもあの空の向こうは明るい陽光が溢れかえっているはずだ。それを信じて、私は今日も一日を過ごす。

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